病気の予感と新たな人生 [死と向き合う]
入院してから気が付いたこと。
首筋のしこりを発見する14か月前に県民共済のがん特約を追加契約していた。
自分でもすっかり忘れていた。何故、特約を追加したのだろう。明確に意識した記憶はないが、自ら契約したことに間違いはない。正直なところ、入院中に「助かった」、「幸運だった」と思った。
近年5年を振り返ると仕事がかなりハードであったため、体を壊すかもしれないという自覚があったのだと思う。
今年の4月も、去年4月も全く自分の経歴とは異なる部署への人事異動が続いた。
それ以前にも組織として初めての営業活動を構築したり、技術職として採用されながら事務職向けの部署に配属されることが多く、残念ながら部下を育成する機会には恵まれなかった。
異動の度に、私には行き詰った懸案事項の後処理ばかりが廻ってきた。
ただ単に、泣き言を言っているだけに過ぎないが、もう、今しか語れない。
今年度末で勤続30年、あと6年で定年を迎える予定だった。
今、素直に分析すると、昨年の時点で疲れ切ってしまい、なんとなくがん保険の特約を付けたのだと思う。
もうそろそろ、自分は壊れるかもしれないと・・・・・・
そして、今年の人事異動でとどめを刺されてしまった。
実際のところ、首筋のしこりに気が付く前までは必死で仕事を進めていたのに、リンパ節の異変に気が付く頃から仕事の能率が悪くなった。
今日はここまではやっておかないと・・・・遅くとも今週中にはこの対策を講じないと・・・先を読んでいるのに、なぜか思うように仕事が進まなくなってきた。
サポートしてくれる有能な部下が、もう一人いればなあ・・・・・。
なんて、完全に戦線離脱モードになっていたような気がする。
この病気の診断結果が確定してから、もう仕事のことは考えないようにすることにした。
とても恥ずかしいことだけど、もう、あきらめた。
自分でなければ、できない仕事なんて無い。自分の替わりになる人材はいくらでもいる。
もう、今の仕事は疲れてしまった。
しかし、家族には打ち明けられなかった。「仕事を辞めてもいいか?なんて・・・・・・」
仕事から逃げるために自ら病気になったのかもしれない。
日本人で10万人に1人の難病になれば、仕事を辞める立派な言い訳にもなりうる・・・・・
それとも、ご先祖様か守護霊が「もう仕事はしなくても良い。」と助けてくれたのかもしれない。
もう人間を卒業しても良いぞと・・・・・
もう、発病前には戻れない。
発病前の生活を取り戻したいとも思わない。
闘病以外に、新たな、人生を始める決意を固めた。
死ぬ前に、もう一度、生まれ変わりたい。
でも、何ができるのだろう?
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