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「やられたらやり返す。倍返しだ」・・・った。 [仕事]

病気になる前は、ドラマ『半沢直樹』のような生き方にあこがれていました。

利用され、踏み台にされ、手柄を横取りされ、挙句の果てに切り捨てられたとしても、「やられたらやり返す」破滅的な生き方が大好きでした。

また、子供のころから、「侮辱は絶対に許さない」主義でした。

ところが、病気になってから、考えが180度変わってしまいました。

これまでの自分の考え方は、「男らしくて潔い」と信じて疑いませんでしたが、病気になってから、「やられても許す」になってしまった。

価値観が全く変わってしまったのです。

どうしてでしょう?

おそらく、これまでの人生を反省することができたからだと思います。

自分自身が許されなければならないような人生を歩んできたことに気付き、反省し、他人を責めることができなくなったのではないかと思っています。

いささか、懐が深くなったような・・・・・

そういう意味では、病気になって多少良かったこともあったのかな?・・・・・なんてね。

これからは、何か、人の役に立てればいいなと思います。


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読み比べ 「患者よ、がんと闘うな」、「抗がん剤は効かないの罪」 [読書]

乳房温存療法のパイオニアとして知られ、かつて文芸春秋の連載で、がん治療の常識や社会通念に異議を唱えた慶應義塾大学医学部放射線科医「近藤 誠」氏の代表作「患者よ、がんと闘うな」と、近藤氏に対する反論をまとめた、日本医科大学腫瘍内科医「勝俣 範之」氏の「抗がん剤は効かないの罪」を読み比べてみました。

まず、近藤氏の本を一般の素人が読み進むと、ほとんどの内容に感心させられてしまうのですが、氏の主張を全面的に受け入れることには、素人なりに強い違和感を感じます。氏の主な主張は、①手術はほとんど役に立たない。②抗がん剤治療に意味のあるがんは全体の一割。③がん検診は百害あって一利なし。④がんは今後も治るようにならないだろう。⑤がんもどき理論(がんは転移する本物のがんと転移しない「がんもどき」がある。本物は早期発見できる5mmの大きさの時には既に転移している。「がんもどき」は5cmでも転移しない。本物は早期発見して手術をしても既に転移が始まっているので治らない。がんもどきならば、手術をしなくても転移しないので、がんを切除する必要がない。)というようなことが書いてあります。

一方、勝俣氏は、近藤氏の功績を認めつつ、臨床試験データのねつ造を指摘する近藤氏の誤解に関する解説、抗がん剤の目的には治癒と延命がある、分子標的薬の時代、専門医不足のため「副作用死」が起こっている、緩和ケアの治療効果など、腫瘍内科医らしい視点が盛り込まれていて、非常に参考になりました。

私自身は、ホジキンリンパ腫で抗がん剤投与と放射線照射の併用療法を受けましたが、近藤・勝俣両氏が言うように抗がん剤が非常に良く効く病気でしたので、標準治療(多剤併用化学療法+放射線療法)の選択に迷う余地はありませんでした。抗がん剤は非常に良く効きましたが、放射線治療が効いているかいないかは、全くわかりません。しかし、抗がん剤も放射線も副作用が酷かったので、もし再発した場合にはどちらの治療も拒否する可能性があります。

両者の本を読み比べて感じたことは、この二人の医師は、本来の専門領域が違うということです。近藤氏は放射線科医出身であり、本の中でも放射線治療の選択やその有効性についても述べられています。勝俣氏は腫瘍内科医で、がん診療全般の総合ナビゲートを目指し、分子標的薬や最先端の重粒子線治療や陽子線治療の注意点などにも触れ、ホスピスケアとの連携までも視野に入れています。

勝俣氏の本の中で印象的だったのは、日本では抗がん剤専門医の不足により10%以内の「副作用死」が起こっているという現実。抗がん剤の副作用の中で医学的に最も問題となるのが白血球の減少であり、感染症が発生した場合の対応が適切に行われず死に至るケースがあるということ。腫瘍内科医の数が日本には876人(2013年)しかおらず、圧倒的に抗がん剤専門医の数が足りないこと。その割合は米国の約1/16(日本の人口は米国の約1/2.5)、腫瘍内科医の専門制度は欧米より30年も遅れているという。

日本では、がんの手術適応を外科医が単独で決めることが多く、抗がん剤治療も外科医が行うことがほとんどだという。勝俣氏は外科、放射線科、精神腫瘍科、緩和ケア科、腫瘍内科と複数科によるチーム医療の必要性を唱える。それは、がんが再発・転移した場合には全身疾患となり、全身的なマネジメントが必要になるからだという。抗がん剤や放射線治療の副作用を体験した患者ならば、身をもって体験していることなので非常に良く理解できることだと思います。

私の主治医は血液内科医であり、自ら抗がん剤の専門医だと明言していました。私が通院している大学病院では、チーム医療的な連携は図られていたのですが、時々、各科のセクショナリズムに悩まされることがありました。

私は勝俣医師に、がん患者に対するチーム医療の充実、腫瘍内科医の育成と増員、緩和ケアとのさらなる連携促進を期待します。日本医科大学武蔵小杉病院のHPや勝俣先生のブログも拝見しましたが、非常に充実しつつあると感じました。

勝俣先生が主治医だったらいいなと思いました。

がん患者の皆さんやご家族には、少なくとも専門科がある病院(腫瘍内科や血液内科のある病院)選びをお勧めします。その場合にがん専門病院が良いか、大学病院が良いかは微妙だと思いますが、大学病院の腫瘍内科であれば、治療に伴い発生する各種の副作用に対して「チーム医療」に期待することができるかもしれません。例えば、がん治療のあらゆる副作用に対して、内科、外科、整形外科、放射線科、歯科、耳鼻科、眼科、皮膚科、泌尿器科などあらゆる診療科がある大学病院の方が何かと便利だと思います。連携体制が無ければ無意味ですが・・・。がん治療については、がんを治すことが本来の治療ですが、副作用に殺される可能性も十分にあるのです。

また、医師との出会いが運命を分けるかもしれません。

信頼できる医師との出会いがたいへん重要だと感じました。


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読書「生と死の謎に挑む」NHKスペシャル [読書]

2009年に放送され、その後、大反響があったNHKスペシャル、立花隆 思索ドキュメントと一体編集されたものだそうです。
立花氏が追及したこと、それは「人類はどこまでがんを理解しているのか?」というテーマだった。

その結論は「発がん研究について、かなり多くのことは分かってきたが、確かな答えはまだ得られていない。」

1971年、(米)ニクソン大統領は国家的政策目標として「がん克服」を掲げ、10年以内に人類最大の難病、がんを征圧するべく一兆円を超す国家予算を投じた。しかし、44年が経過した現在でも、がん征圧のゴールは見えず、がんをめぐる様々な謎は一層深まり、がん研究は混迷の度合いを深めている状況らしい。 

著者は、「時間はかかろうとも、いずれ、人類はがんを克服するであろう。しかし、筆者の眼の黒いうちにそれが実現することはない。」と締めている。

そういうことから、がんを告知されたばかりの人や若い人には、この本をお勧めすることはできない。治癒に関する希望が持てなくなるから・・・。しかし、がん手術、抗がん剤治療、放射線治療等の経験者にとっては最良の一冊だと言える。

がんは、本質的にその人の遺伝子に蓄積した変異の積み重ねであり、その人の個性そのものであり、患者個人の歴史を反映したものである。個人個人が違った人生を歩んできたように、その人のがんも違った人生の反映なのである。同じがんは2つとないということらしい。

抗がん剤の恐ろしさ。抗がん剤が骨髄に作用し、血液をつくる造血幹細胞を襲う。血液成分は寿命が短く、白血球の好中球の寿命はわずか2~3日だそうである。白血球の減少により、感染症を引き起こし、副作用死が発生する。

がん化とは、浸潤の有無であり、良性腫瘍が浸潤を始めると悪性腫瘍になったと判断するらしい。

人間は60兆個もの細胞を持つ多細胞生物の進化の極致にある生物である。がんは、産業社会が生んだものではなく六億年前から存在する。ライフスタイルの変遷により、がんになる割合は変化したとしても、がんは多細胞生物にとって本質的で先天的な宿命の病だそうである。

また、著者自身もがん患者(膀胱がん)であり、TBSニュースキャスターの筑紫哲也氏(肺がん)、ノーベル賞受賞候補の物理学者、戸塚洋二氏(大腸がん)、俳優、松田優作氏(膀胱がん)などの壮絶な闘病を知ったうえで、「僕はがんばらない」と明言している。

私の考えは、立花氏にほぼ同調した。


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経過観察(3)あと5年か? [血液内科]

寛解後、約3か月目の定期検診。血液内科と歯科に行きました。

特に異常なし。薬も2種類だけになり、院外処方になりました。

不便ですが、ようやく、普通の病人扱いになりました。

このまま様子を見て、8月下旬に再度、PETを撮る予定です。

主治医曰く、「このまま5年間維持できたら、病気のことは忘れても良い」 とのこと。

前回(約1か月前)は、「3年間は油断できません」と言っていた。

少し、明るい雰囲気に?

でも、5年は長いな。というより、5年間は恐怖が続くということでもあるわけで・・・・

毛も伸びてきたし、順調です。

でもまだ、味覚障害、唾液分泌障害、末梢神経障害は続いています。

主治医も、これらは長くなるかもしれないと・・・・

放射線を当てた下あごと襟足の皮膚は、当初はヒリヒリしていましたが、今では毛が生えず、すべすべで気持ちいい感じになりました。

でも、味覚障害だけは、もう、勘弁してくれ。


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読書「もう、不満は言わない」 [読書]

この本の趣旨は、21日間不平不満を言わないこと。この習慣を身に着けることで幸せになれる。というものです。
方法は、不平不満を言ってしまったら、腕にはめたブレスレットをもう片方の腕にはめ替え、また1日目からやり直すというものです。

この本を読んで、「不平不満を言うことが、どれほど自分の周りの人に悪影響を及ぼしているか?」 と言うことを一度、良く考えるべきだなと思いました。

不平不満ばかり言っていると、そのような出来事が、ますます自分に反映され、悪循環に陥るのではないか?これはたいへん恐ろしいことだと思います。

自分が「不平不満を言っていないかどうかを意識するだけで、人生が豊かになる」ということには同感できます。

翻訳本と言うこともあり、宗教的な思想も含まれているようで、体験談の中には理解できない話もいくつかありました。

不平不満をネタに盛り上がるケースもあると思いますが、「いじめ」の原因になりうると感じました。

私は病気になってから、意識が変わっています。昔は不平不満ばかり言っていましたが、一度、死を意識してからはあまり不平不満を言わなくなったような気がします。不平不満を想うことはあるのですが、発言することは少なくなりました。病気になって、周囲の人から避けられているせいかもしれませんが・・・

ただ、「不平不満を言わない」だけで良いのか?と言う疑問もあります。

「平不満を言わない」ことが、「見て見ぬフリをすること」 になってしまっては本末転倒だと思うのです。

これからは、不平不満を聞かされる人の立場になって、発言すべきかどうかを意識していきたいと思います。


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両足の親指の爪が剥がれそう [副作用(抗がん剤)]

最終の抗がん剤投与は3か月前だった。

副作用で手足の先端部に障害が出ている。足の親指の付け根部分の爪がスゴク薄くなっており、抗がん剤投与前の分厚い爪を支えられなくなって、とうとう今日は剥がれそうになってしまった。

親指の爪が剥がれると歩くのがかなり厳しそうだ。

とりあえず、絆創膏でぐるぐる巻きにして親指全体を保護することにした。

お風呂に入っても、湯船に足を沈めると親指がかなり痛い。

副作用は続くよ、どこまでも・・・・


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闘病後、初の飲み会 [その他]

今日は職場の飲み会でした。

闘病後、初めてアルコールを飲みました。
もともと、アルコールは苦手でしたが、闘病前と変わらずに飲めました。

若手に誘われるままに、最後まで付き合いました。
とても楽しかった。

半年ぶりです。
味覚障害もあまり意識しませんでした。

ありがとう。


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読書「がんの最後は痛くない」 [読書]

一般に、がんは「終末期に激しい痛みが襲う病気」と思われているが、在宅緩和ケア医の著者は、それは大いなる誤解だという。

著者の経験によれば、最後まで痛みが出ない患者も多く、痛みが出てもほとんどは鎮痛剤で和らげられ、「七転八倒の苦しみ」を味わうことはないのだという。ところが、そんな痛みが出るはずがないのに七転八倒する人がいる。

患者にも、病院の医師にも「がんは痛い」という先入観があり、がん以外の痛みをがんの痛みだと思い込んだり、がんの痛みがやってくるはずだと思い込み、痛みを増幅してしまうケースがあるらしい。

特に終末期の患者は、死が近づいてくると「痛くなるはずだ」と思い込み、その通りになってしまうケースが少なくないらしい。病院の医師も、終末期の患者に対しては痛みを除去するための投薬ばかりを考え、患者の不安を除去することには意識が向かないケースが多いらしい。自分の体の状況に関する情報が得られない患者は、痛みに対する恐怖を勝手に増幅していくようになってしまう傾向があるようだ。

信頼できる緩和ケアの必要性を強く感じた。


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