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読書「死ぬ気まんまん」 [読書]

久しぶりに、今日は読書です。

タイトルに惹かれて読んでみたくなり、アマゾンに注文しました。

内容に共感するところが多く、居眠りしながらも、読破しました。

佐野洋子さんという、有名な絵本作家が癌でなくなった後に発表されたエッセイです。

この著者のことは全く知りませんでしたが、有名な方のようで、「100万回生きたねこ」という絵本が代表的な作品のようです。

「死ぬ気まんまん」とは、ご子息が漏らした話の中で「おふくろ、何かこの頃、死ぬ気まんまんなんですよね。」という言葉を使ったそうである。

著者は病院で癌の再発の告知を受けた帰りに、家の近くの車屋でブリティッシュグリーンのジャガーを買う。もう長くないなら老後のための貯金をとっておく必要もない。ジャガーは生涯愛煙家だった著者の貴重な喫煙室にもなった。

どうですか。面白い人でしょう?

著者は、「抗がん剤は拒否した。」と言っているが、治療中に抗がん剤の副作用と思われる体験談が記されており、抗がん剤とは知らされずに投与された可能性が高い。(おそらく、医者に騙されたことに気づいていないか、気づかないフリをしていたのだろう。)

著者自身は死と向き合い(恐れず)、死を待ち受ける覚悟があったからこそ、「死ぬ気まんまん」だったのだと思う。

ただ、それだけでは私自身が納得ができなかったので、ネットで彼女の代表作と言われている「100万回生きたねこ」の概要を調べてみた。

100万回生きたねこは、ある時は王様に、 船乗りに、サーカスの手品師に、泥棒に、お婆さんなど多くの人に飼われ、 飼い主になった人はいつもねこが好きで、ねこが亡くなる度に、みんな悲しくて涙を流した。

しかし、ねこは一度も飼い主を好きにならず、ある時、初めて、誰にも飼育されていない「のらねこ」になった。

立派なとらねこに生まれかわり、たくさんのメスねこ達が彼に接近したが、彼は自分のことを見向きもしなかった白い猫との恋愛を成就し、子供も育てた。

でもある日、 白い猫は静かに動かなくなった。

彼は初めて涙を流し、彼もまた、彼女の隣で、 静かに動かなくなった。

そして、ねこはもう生まれかわることはなかった。

100万回も生まれ変わってきたねこが、どうして生まれ変わることをやめたのか?という課題を読者に投げかける絵本であり、いろいろな解釈ができる。大人のための絵本である。

著者は二度の離婚歴があるようで、「死ぬ気まんまん」と併せて考えると、生まれ変われると信じていたのではないか?つまり、100万回生きたねこの最後の死とは異なるのだと・・・・、また、生まれ変われるのだと?

となると、猫はどうして生まれ変わらなかったのか?

 ・ 愛する者を失う苦しみを二度と体験したくない。

 ・ 白い猫への永遠の愛を貫きたい。

 ○ 一つの死は、愛する者たちに大きな悲しみを生むことがわかった。(自らが少なくとも100万人に深い悲しみを与えたことを後悔した。)

著者は、自分の人生に満足できなかったのではないかと思う。

著者はエッセイの中で、「死ぬのは平気だけど、痛いのは嫌だ。」と言っており、死は覚悟しているが苦しみたくない。

私も癌なのでわかるが、誰もがこの境地まで到達出るというものではない。

私は、彼女にほぼ同感できるのではあるが、健康な人はまず、「死にたくない」という想いが先立つのではないだろうか。

彼女には理想の恋愛イメージがあり、それを成就したかったが叶わず、人生をリセットするしかないと覚悟を決めたのではないか?

私も今、非常に残念ながら、「どうしても死にたくない」という理由が見つからないのである。

しかし、このブログのプロフィール写真の「ひまわり」を見ていただきたい。写真のはなびらは、半分しか開いていない。

つまり、私はまだ、自分の人生に満足していないのである。

したがって、これから死にたくない理由を探さなくてならないので、それまでの時間を稼がなければならない。

だから、「生きる」

副作用は嫌だが、リセットはまだだ。


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