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読書「全身がん政治家」スゴイ男がいたもんだ [読書]

政治家、与謝野馨氏の闘病回顧録である。

中曽根康弘氏の秘書を経て、衆議院議員初当選から10か月、39歳にして悪性リンパ腫を発症。しかし、秘書や事務所の人間、家族には内緒で、知っていたのは口の堅い運転手だけ、偽名で抗がん剤治療を繰り返し、治療期間は10年以上に及ぶ。

2度目のがんは62歳で発症した直腸がん、その翌年には前立腺がん、68歳で下咽頭がんになっている。

政界随一の政策通政治家でありながら、30年以上にわたり、4つの異時性多重がんと闘った記録は、非常に濃い内容である。

抗がん剤治療、放射線治療、手術、ホルモン療法、高気圧酸素治療など、治療内容が豊富であり、氏の治療に携わった一流の医師達が当時のカルテを元に治療の経緯を説明している。

政治家という激務を務めながら、度重なる入院や100回以上の通院に耐えられる精神力は見事である。

凄い男がいたもんだ。闘病経験者でないと解らないだろう。

政治に関心のあるがん患者やその関係者には、特におすすめです。


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