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今年の年賀状に現れた病気の暗示 [その他]

私は、毎年、写真年賀状を作っている。

家族の写真を数枚掲載するのだが、背景色をどうするか、毎年、悩んでいる。

今年の年賀状の背景は「黒」にした。

妻は縁起が悪いと言って怒っていたが、私は黒がたいへん気に入った。

全体が引き締まる感じと、正装するイメージが年賀状にふさわしいと思った。

そして、傍らにたくさんの小さな白い羊が「招福」という赤い文字から舞い降りてくる挿絵を入れた。

今、思えば、まさに「悪性リンパ腫」のイメージどうりの年賀状ではないか?

「死」を表す黒と、「リンパ腫」を表すたくさんの小さな白い羊の群れ。

作成したのは、昨年の11月、生検手術をする前だった。

つまり、まだ、悪性リンパ腫と診断されていない時期で、

もちろん、自覚症状もない時期に素案が完成していたのである。

このとき、すでに私の脳は、悪性リンパ腫の罹患に気が付いていたのかもしれない。

そして、12月の入院が決まったとき、この年賀状を出すか、出さないか、非常に迷った。

迷った挙句に、年賀状とは別に、自分の死亡通知はがきを日付抜きで作成しておき、

年賀状を出すことにした。

「年内には死ねない」、「年内には死なない」と心に決めた。

併せて、もう、次回からは年賀状を出すのはやめようと思った。

最近、年賀状はめったに会わない友人に限定してきている。

いつ死ぬか、分からなくなり、生きているうちに年賀状を出す習慣を

なくそうと思った。

しかし、病気が「寛解」した今、来年の年賀状はどうしようか、

再び迷い始めている。


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